寄生虫に操られるものたち
寄生虫(パラサイト)はいくつもの種類があり、終宿主も違う。
終宿主(しゅうしゅくしゅ)とは、子孫を増やすために有性生殖をおこなう宿主のこと。
例えばトキソプラズマの終宿主は、ネコ科の動物、ネコ、トラ、ライオン、チーターなど。
人間やネズミは中間宿主になる。
寄生虫は中間宿主を操って終宿主に食べられようとする。
トキソプラズマは、ネズミを操りネコを怖がらず近くに行き補食されやすくするが、もしもライオンやトラが近くにいたら人間も補食されるようにコントロールされるのだろうか?
人間に影響を及ぼすものは僅かしかいないらしいが、わずかはいるわけだ。
トキソプラズマが人間に寄生すると社交的になり危険な行動をとるようになるらしい。
トキソプラズマが脳内に侵入するために必要なGABA というアミノ酸を作らせているのではないかという見解もあるそうだ。
GABA とは、脳に存在する神経伝達物質でリラックス効果があるといわれている。
リラックスさせることで恐怖心や警戒心が減るのではないかと考えられているようだ。
ダンゴムシは、普段は石の下などの天敵に見つかりにくい場所にいるが、寄生虫に寄生されたダンゴムシは明るい目立つ場所にいくらしい。
もちろん補食されるためだ。
他にもハリガネムシという寄生虫は、コオロギやカマキリなどに成虫になるまで寄生する。
そして成虫になると産卵のために水が必要なので、宿主をコントロールして川に飛び込ませる。
宿主が魚や鳥に食べられる前にお尻から脱出して、水中で交尾と産卵をする。
ハリガネムシは子孫を残すためにコオロギなどを利用するが、最終的にはコオロギは魚の餌になるわけだから寄生虫も生態系に貢献しているともいえる。
寄生虫はとにかく終宿主にたどりつかないと子孫を残せないので、思考を乗っ取り操るような姑息な手段を使うのだが、寄生虫にとっては死活問題なんだな。
寄生生物は気持ち悪いとかずる賢いと思っていたが少し見方が変わった。
操られているのかな。
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